カラー・オブ・ハート(PLEASANTVILLE)

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1978年生まれの宏美と申します。日常生活において、直感でときめいたことを書き綴っていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

作品のあらすじ

この映画は1998年に制作された大変珍しい映画です。

最初はカラーの映像ですが、白黒のテレビドラマ「プレザントヴィル」の世界に入ると白黒の映像になり、そこから映画のストーリーと共にカラーの映像になっていくファンタジー映画です。

双子の兄妹、デイビッド(トビー・マグワイア)とジェニファー(リース・ウィザースプーン)が主役です。

兄のデイビッドはオタク気質で「プレザントヴィル」に夢中です。賞金1000ドルがもらえるカルトクイズのプレザントヴィルマラソンに向けて知識を深めています。夕方6時半から「プレザントヴィル」が始まり、クイズは翌日昼から始まります。デイビッドにとって、この日の「プレザントヴィル」は見逃すわけにはいきません。

プレザントヴィルは夕方6時半から、クイズは翌日昼から

プレザントヴィルは夕方6時半から、クイズは翌日昼から

ポテトチップスを食べながらプレザントヴィルを観てくつろぐデイビッド

ポテトチップスを食べながらプレザントヴィルを観てくつろぐデイビッド

妹のジェニファーは恋とおしゃれが大好きなリア充を目指す女の子です。恋敵のデビーが転校していき、気になっていた顔のニキビも消えた絶好調の彼女。

MTVを見る名目でマークを家へ誘い出すことに成功した彼女にとって、夕方6時半からのMTVを見逃すわけにはいきません。

「ママ留守なの。」とマークを誘い、成功するジェニファー

「ママ留守なの。」とマークを誘い、成功するジェニファー

友達に電話でデートの予定を自慢するジェニファー

友達に電話でデートの予定を自慢するジェニファー

得意気な顔をするジェニファー

得意気な顔をするジェニファー

刺激のある服を慎重に選ぶジェニファー

刺激のある服を慎重に選ぶジェニファー

兄妹で見たいテレビ番組が分かれた2人はリモコンの取り合いになり、その拍子にリモコンを壊してしまいました。

その時、物凄いシンクロニシティで現れた修理工のお爺ちゃん(ドン・ノッツ)が家にやって来て、2人に不思議なリモコンを手渡しました。

そのお爺ちゃんが帰った後、そのリモコンでテレビを付けた2人は「プレザントヴィル」の世界に入り込んでしまいます。

何があってもリモコンは渡さない!(テレビの画面にプレザントヴィルの兄妹も同じやり取りをしています)

何があってもリモコンは渡さない!(テレビの画面にプレザントヴィルの兄妹も同じやり取りをしています)

リモコンの不思議な力でプレザントヴィルの世界に入り込んだ2人

リモコンの不思議な力でプレザントヴィルの世界に入り込んだ2人

「プレザントヴィル」の世界は1950年代で全て(人や物など)が白黒の2色で構成される変わった世界です。

その世界に住む人々は、皆純粋で良き市民の模範のような人たちです。

その世界は犯罪等起きない平和な世界なのですが、図書館の本の中身が真っ白だったり、紙が燃えなかったり、トイレにはドアだけで便器がなかったり、いつも晴天で過ごしやすいお天気(天気予報では最高気温22度最低気温22度の不思議な世界)で、雨も降ったことがないけれど植物は不思議といきいきとしている世界です。

ドラマの中の架空の街で脚本に忠実に動いているからでしょうか?プレザントヴィルの人々の本当の気持ちや感情が見えてこないような感じがします。学校の授業でも町の中にある建物や道路の名称しか先生が説明しなくて、ジェニファーが「街(プレザントヴィル)の外はどうなっているの?」と先生に質問したらちょっと混乱したり、秩序は保たれていても人々に本当の意味での自由がないような世界です。

こ、これは!?ちょっと意味が分かりません (´・ω・)?

こ、これは!?ちょっと意味が分かりません
(´・ω・)?

物凄い量の朝食を目の当たりにして理解に苦しんだ表情のジェニファー

物凄い量の朝食を目の当たりにして理解に苦しんだ表情のジェニファー

ジェニファーが煙草を吸いたくても紙に火が付かない不思議な世界

ジェニファーが煙草を吸いたくても紙に火が付かない不思議な世界

今日も明日もあさっても過ごしやすい22度の気温です☀

今日も明日もあさっても過ごしやすい22度の気温です☀

この世界の住人の真面目さ?(異常さ)が分かるフレーズ

この世界の住人の真面目さ?(異常さ)が分かるフレーズ

プレザントヴィルの大通りは永遠にループしているらしい。テレビドラマだから外の設定は作られていないってこと?

プレザントヴィルの大通りは永遠にループしているらしい。テレビドラマだから外の設定は作られていないってこと?

リア充で恋やおしゃれに夢中なジェニファーにとって、その世界はあまりにも退屈な世界でした。

そんなある日、ジェニファーがはめを外し、同じ高校に通うバスケットボール部のキャプテンのスキップ(ポール・ウォーカー)とセックスをします。セックスを知らないスキップにとって、とても刺激的な体験だったのでしょう。

それを皮切りにスキップの周りで変化が訪れます。それまで白黒しかなかった世界に色が付き始めるのです。

バスケ部のキャプテン、スキップ。ドラマの脚本では校章をジェニファーにあげるだけで、もともとセックスをする展開はなかった

バスケ部のキャプテン、スキップ。ドラマの脚本では校章をジェニファーにあげるだけで、もともとセックスをする展開はなかった

恋人の水辺(恋人池)でデートをする若者たち。左の車にスキップとジェニファーが乗っている

恋人の水辺(恋人池)でデートをする若者たち。左の車にスキップとジェニファーが乗っている

初体験に戸惑うスキップ

初体験に戸惑うスキップ

初体験の後、スキップの気持ちの変化によりカラーに変化した薔薇

初体験の後、スキップの気持ちの変化によりカラーに変化した薔薇

ジェニファーやスキップに感化された周囲の人々がどんどん自分の気持ちに正直になり、恋愛やおしゃれに目覚めたり、自分の感情を素直に表現するようになります。

それに伴い、これまで築き上げられたプレザントヴィルの秩序がだんだんと崩れていきます。

これにより、白黒だった世界は虹のかかったカラーの世界へと変化を遂げていく物語です。

この映画の見どころ

この映画はハリウッド映画にしては珍しく、恋人たちが集う水辺の庭園に桜の木がたくさん出て来ます。

なんとも日本的で、日本人なら思わず嬉しくなります。

恋人の水辺(恋人池)の風景は、蓮の花も綺麗に咲いていてクロード・モネの「睡蓮」の絵のような素敵な風景です。

この映画の監督のゲイリー・ロス氏(以下、「監督」)によりますと、至福者の島に出てくるような雰囲気に、18世紀のイギリスの絵画に出てくるような風景を再現して、グリーク・リバイバル様式(ギリシャの神殿のような)のギリシャ風のバルコニーに、ロマン主義溢れるエデンの園のような庭園らしいです。

西洋の理想的な楽園のような感じです。

不思議なことに恋人の水辺(恋人池)は桜の木や蓮の花の効果でしょうか、そういった意味では日本的な感じがします。

古今東西愛される素晴らしい庭園です。

綺麗な桜を楽しむ2人

綺麗な桜を楽しむ2人

カラーになった人と白黒のままの人が混在する。カラーになる条件は人それぞれらしい

カラーになった人と白黒のままの人が混在する。カラーになる条件は人それぞれらしい

プレザントヴィルの町並みは1930年代の古き良きアメリカな感じがして、ディズニーランドのワールドバザールの建築物のような感じがして、とてもレトロで気品があります。

ビル(通称ソーダショップ・アメリカンダイナーの店長)とデイビッドによって警察署の壁に描かれた作品(カラーに変化した街の人々と街の暴動をテーマ)は、パブロ・ピカソの「ゲルニカ」の様に作品にメッセージがある様な感じがして、心打たれる芸術作品で本当に素晴らしいです。

監督によりますと、壁画は政治的な主張をする伝統があり、この映画の壁画はかなり扇動的な作品で、ロサンゼルスで有名な壁画家のフランク・ロメロ氏と彼のチームによる作品らしいです。

監督はこの壁画の蛇とリンゴの部分が、この映画のメインのテーマ(旧約聖書の創世記アダムとイヴの物語とエデンの園)のようで一番のお気に入りらしいです。

徹夜でやり遂げた2人は満足げな表情を浮かべる

徹夜でやり遂げた2人は満足げな表情を浮かべる

左端に描かれているリンゴと蛇のイラストが監督のお気に入り。アダムとイヴの物語とエデンの園(旧約聖書の創世記)のアダムをモチーフにしており、この映画のテーマ

左端に描かれているリンゴと蛇のイラストが監督のお気に入り。アダムとイヴの物語とエデンの園(旧約聖書の創世記)のアダムをモチーフにしており、この映画のテーマ

もちろんアメリカの青春映画の王道のシーンもちゃんとあって、アメリカンダイナーで1950年代のファッションの若い男女が、楽しそうにおしゃべりをして恋に落ちるような恋愛のワクワク感も物語とともに楽しめます。

ジェニファーがスキップとダイナーでデートをしているとき、チェリーを食べているジェニファーは挑発的で可愛らしい感じがします(1950年代の価値観では刺激的すぎなのが、ちょっとエッチです♪)。

1950年代のアメリカのファッションは、男性らしさ女性らしさが強く求められた時代でした。男性はより紳士的にライトな感じで、女性はよりグラマラスな感じでウエストを絞ってふんわりとしたシルエットで人々を魅了します。

プレザントヴィルの若者のファッションもレトロ可愛くてとっても華やかです。

大人のファッションも1950年代に徹底していて凄く楽しめます。

また、デイビッドの家の前でマーガレット(マーリー・シェルトン)がチェックの傘を広げて回すシーンも、レトロ可愛い感じがして印象的です。

この映画は風の音や雷の音などによって、物語の状況や変化が分かったりして和歌の枕詞のようで面白いです。監督の裏技によって恋に落ちたら時間がゆっくり進むさまは素敵です。

チェリーを持っているジェニファーが可愛い💛

チェリーを持っているジェニファーが可愛い💛

レトロな傘を広げて可愛さ満点のマーガレット💛

レトロな傘を広げて可愛さ満点のマーガレット💛

1950年代といえば、アメリカのBIG3(ゼネラルモーターズ、フォードモーター、クライスラー)のレトロな車がかっこいい黄金時代です。

スキップの髪はジェルでビシッと固めて、レトロなオープンカーに乗りジェニファーを誘う場面は、この時代特有のかっこよさがあり、そのままレトロなポスターになりそうな感じがします。この映画はレトロなオープンカーだけでなく、レトロな消防車もかっこいいです。

消防士が木の高い場所から降りられなくなった猫を助けるシーンは、アメリカの幼児番組(例えば、プレイハウスディズニー「おたすけマニー」の『マニー出動』など)によくみられるほのぼのとした光景です。

しかし、デイビッドの家の庭の木が火事になった時、デイビッドが消防署で「火事だ!」と言っても消防士は反応せず「猫!」と言ったら消防車が出動するシーンは「プレザントヴィル」らしいコメディです。

爽やかでかっこいいスキップ✨

爽やかでかっこいいスキップ✨

無事、木の上から猫を救出することに成功した消防署員

無事、木の上から猫を救出することに成功した消防署員

いつも晴天で気温も過ごしやすいプレザントヴィルで、若者が恋愛に夢中になったり図書館に行って知識を得たことによって、初めて大雨がプレザントヴィルに降るシーンはとても印象的なシーンです。

満月の夜、デイビッドの彼女がリンゴを取るシーンがありますが、西洋社会でのリンゴは、アダムとイヴの物語(旧約聖書の創世記)で知恵の実の説があります。

月は満ち欠けをすることから、女性の妊娠を連想し、古今東西で女性の象徴だと言われています。

西洋社会では、月の女神様はアクエリアス(みずがめ座)と言われており、大量に雨を降らせたことにより、虹がかかるには雨が重要ですのでこのシーンは物語の象徴のような感じがします。

木からリンゴをもぎとるマーガレット

木からリンゴをもぎとるマーガレット

リンゴをもぎとった後に見えてきたのは綺麗な満月✨

リンゴをもぎとった後に見えてきたのは綺麗な満月✨

雨を知らないプレザントヴィルの人々(雨が降ったのは初めて)に雨が安全なことを証明しようとするデイビッド

雨を知らないプレザントヴィルの人々(雨が降ったのは初めて)に雨が安全なことを証明しようとするデイビッド

雷雨の後、プレザントヴィルに初めて虹🌈がかかった

雷雨の後、プレザントヴィルに初めて虹🌈がかかった

人々の心の変化について

ジェニファーの心の変化

監督によりますと、プレザントヴィルの変化は全てジェニファーから始まります。

そして、この映画の音楽はジェニファーの感情によって演奏されていきます。

初めは二人がプレザントヴィルに来て、デイビッドがオタクなせいで天罰が当たったといじけていました。彼女がスキップに恋をしたことによってプレザントヴィルの全てが変化します。

ジェニファーは自分の気持ちに素直な性格です。嫌なことはちゃんと嫌だと言えて、自分が嫌だと感じることにはしっかりと境界線を引くことによって、自分自身を大切にしています。

もし、ジェニファーがアダムとイヴの物語(旧約聖書の創世記)のイヴだったら、蛇と仲良くなってエデンの園の知恵の実を迷わず食べると思います。だけど彼女は自尊心が高いので、知恵の実を食べても失楽園には行かなくて、ノアの方舟(旧約聖書の創世記)に乗って新しい虹の掛かった幸せな世界に辿り着くタイプなのかもしれません。

ジェニファーをデートに誘うため家にやってきたスキップ。監督によると1930年代のアメリカの伝統的な誘い方らしい

ジェニファーをデートに誘うため家にやってきたスキップ。監督によると1930年代のアメリカの伝統的な誘い方らしい

大学のキャンパスにて友人?と読書を楽しむジェニファー

大学のキャンパスにて友人?と読書を楽しむジェニファー

彼女の気持ちはいつも純粋で、恋愛のように心から楽しめることが大好きで、いつも夢中になって自分が好きなことをしています。

プレザントヴィルの若者にとって凄く刺激的でチャーミングな女の子に映るのではないでしょうか。

不思議なことにジェニファーの気持ちの変化によって、風もプレザントヴィルの出来事も街の人々もデイビッドもこの映画の音楽も変化していきます。

彼女がいつも言っている「cool!」の掛け声は余裕があって優しい感じがして素敵です。

彼女は読書を通じて勉強に興味を持ち、ついには大学へ進学します。

ビル(ダイナーの店長)の心の変化

ベティも私の生きがいだよ

ベティも私の生きがいだよ

新聞配達の少年も思わずこけてしまうほどに目を見張るビルの作品

新聞配達の少年も思わずこけてしまうほどに目を見張るビルの作品

デイビッドの遅刻によって、ビル(ダイナーの店長)が台を剥げるまで拭き続けることに疑問を持ったことをきっかけに、ビルが日常の様々なことについて疑問を持ち始めます。

テレビドラマの脚本通りに、決められたシナリオ通りの動きを忠実に再現していたビルは、(例えば、「ビルが店のレジを締め、デイビッドがブラインドをおろし、ビルが電気を消し、2人で施錠をする。」のように)脚本通りの決められた動きだけをしていました。

ある日、デイビッドが脚本通りの動きをせずに、アルバイトの途中でジェニファーを追いかけて、仕事をさぼりました。

その結果、プレザントヴィルに僅かな変化が生まれます。デイビッドの穴埋めをビルがしなくてはならないため、ビルが考えながら行動を起こすという僅かな変化が、最終的にこの映画を大きく動かすことになります。

カラーに変化した若者たちが増えたことにより、ビルは綺麗に色付いた絵の本に興味を持ち始めて、最後には芸術家へ変貌していく様はとてもかっこ良いです。

ベティ(プレザントヴィルの母)の心の変化

1950年代のアメリカの豊かさを象徴するような超豪華な朝食(業者に依頼しないと難しい量)を作って、夫と子供を送り出す非の打ちどころのない良妻賢母?(この場合は1950年代の価値観の良妻賢母です。)を必死に演じていたのでしょうか?

ジェニファーと家事をしている時に恋愛とセックスに興味を持って、バスルームで彼女の情熱によって庭の木が火事になります。ベティの入浴を一部始終見ていた鳥が発火した木に止まっていたのですが… 安否が気になります。

ジェニファーからセックスの知識をレクチャーされ興味津々なベティ

ジェニファーからセックスの知識をレクチャーされ興味津々なベティ

教わった知識をすぐに実践し、情熱で庭の木を燃やしたベティ (; ・`д・´)

教わった知識をすぐに実践し、情熱で庭の木を燃やしたベティ (; ・`д・´)

それから彼女とビルとの恋愛によって彼女はカラーに変化していきます。

若者の心の変化

監督によりますと、この映画は子供が大人を導いていく物語です。

そして、それはジェニファーがスキップとセックスをしたことによって始まります。

しかし、プレザントヴィルの若者は恋愛やセックスではなく、主に図書館で知識を得ることによって、白黒からカラーへと変化していくらしいです。

知識を得た若者は、エデンの園で蛇に誘惑されてりんごを食べたアダムとイヴのようです。

恋人の水辺(恋人池)でデートをする若い男女はとっても楽しそうで癒されます。

プレザントヴィルに初めて雨が降ったこと、街の人々の変化によって、プレザントヴィルの若者は自律してより良い人生を彩っていきます。

魔法が掛かったかのように、それまで白紙だった図書館の本に少しずつ文字や挿絵が現れてきます。

マーガレットは、ドラマの脚本ではホワイティに渡すはずだった予定のミートローフのクッキーを、自分の意思でデイビッドに渡します。

それまで白紙だった本のページが、デイビッドが知っている物語を伝えるとページが埋まっていく

それまで白紙だった本のページが、デイビッドが知っている物語を伝えるとページが埋まっていく

すっかり本の魅力に夢中になっていく若者たち

すっかり本の魅力に夢中になっていく若者たち

恋人の水辺(恋人池)に咲くピンクの薔薇。凄く可愛らしい💛

恋人の水辺(恋人池)に咲くピンクの薔薇。凄く可愛らしい💛

ドラマの脚本ではホワイティに渡すはずだった予定のミートローフのクッキー。マーガレットは自分の意思でデイビッドへ渡す

ドラマの脚本ではホワイティに渡すはずだった予定のミートローフのクッキー。マーガレットは自分の意思でデイビッドへ渡す

街の人々の心の変化

プレザントヴィルの秩序やモラルが崩れて、ビルが描いたベティの裸のカラーの絵をめぐって暴動が起きます。

その暴動の後、ビルとデイビッドによって警察署の壁に描かれた超大作のメッセージ性の強い壁画を鑑賞して、最初は変化することの恐れの気持ちによって作品に対して酷い言葉を言っていました。

社会が転換期を迎えて変化するとき、古い社会の制度や人々の習慣や常識など、崩壊しないと新しい社会は構築されません。

プレザントヴィルの場合、一部の街の人々の感情がエスカレートして暴動が起きました。日本社会も転換期だと思われますが、日本人の気質では古い社会の制度や人々の常識など、暴動ではなくそっと離れることが賢明な感じがします。

既存の社会の古い価値観がだんだんと崩れて揺らいでいくとき、人々は社会的にも経済的にもどうなるのか分からない状況になって、不安な状況から人それぞれに二極化していきます。

ビルとデイビッドが警察署の壁に描いた作品に反発する人々

ビルとデイビッドが警察署の壁に描いた作品に反発する人々

いいなぁ (´・ω・`)  by デイビッド

いいなぁ (´・ω・`)  by デイビッド

しかし、一部の街の人々が変化したことによって、街の人々は今まで自分たちの中で信じられていた古い社会の制度や人々の習慣や常識などのそれぞれに疑問を持ち、個人個人に色々な感情を持ち始めます。

もっと楽しくてワクワクするような楽しい価値観や世界観があって、そっちの世界の方が居心地が良いような予感がすると街の人々が気付き始めます。

そして、人々は興味本位の噂話よりも自分自身が楽しくてワクワクするようなことに視点を合わせて、本当にやりたいことに思考や行動を移していきます。

人々は自分自身が好きなことに夢中になって生活していくと、もう以前の本当の意味での自由がない生活には戻れなくなっていきます。

人々の集合意識がポジティブな世界に変化していくと、プレザントヴィルの白黒の世界の古い世間の常識や習慣は崩れていき、プレザントヴィルは虹が掛かるカラーの街へと変貌していきます。

この映画のオープニングでは、様々な社会問題が紹介されていてちょっと不安な気持ちになりますが、エンディングではプレザントヴィルの街の人々は明日のことは分からないと言います。

明日のことを心配するよりも、今を一瞬一瞬最大限に楽しみながら大切にすることによって、毎日が充実して過ごせるとっても素敵な世界です。

街の人々の変化に反対する人々の心の変化

彼らはとても保守的で、これまでのプレザントヴィルの発展を責任を持って自分たちで守り抜いてきた自負があります。

ボーリング場(スコア表が手書きなのがレトロな感じがして良いです。)で街の人々の変化に反対するおじさんたちは、カラーに変化した人々の価値観がどうしても受け入れることが難しく、条例によって厳しく色々なことを制限することによって以前のように白黒の世界の秩序の保たれたプレザントヴィルを目指そうとしますが、街の人々はどんどんカラーに変化していきます。

彼らは変化を受け入れなくて非常に融通が利かないために一見悪役に見えますが、彼らこそプレザントヴィルの街の人々にとって、偉大なる反面教師です。彼らが法廷で変化に反対すれば反対するほど、街の人々は柔軟性を持って新しい街の変化を受け入れていきます。彼らは法廷で変化していく街の人々に見られていることによって、街の人々は内心彼らと価値観が違うと思いつつ、彼らに直接干渉したりはしないので、彼らもだんだんとやりづらくなっていきます。

法廷でジョージ(プレザントヴィルのデイビッドの父親)をはじめ変化に反対するおじさんたちが、心の中の本当の素直な気持ちを受け入れたことによって変化していきます。

【秩序が守られていた頃のプレザントヴィル】仕事から帰宅したジョージを出迎えてくれるのは、笑顔の家族と温かい夕食。1950年代の理想の古き良きアメリカの核家族

【秩序が守られていた頃のプレザントヴィル】仕事から帰宅したジョージを出迎えてくれるのは、笑顔の家族と温かい夕食。1950年代の理想の古き良きアメリカの核家族

【秩序が崩壊したプレザントヴィル】仕事から帰宅したジョージを出迎えてくれるはずの家族が誰もいない。作り置きの夕食が準備されているか探したが何もない。家の中を探し回っても妻がいない。ジョージは叫んだ、「私の夕食はどこだ!!」

【秩序が崩壊したプレザントヴィル】仕事から帰宅したジョージを出迎えてくれるはずの家族が誰もいない。作り置きの夕食が準備されているか探したが何もない。家の中を探し回っても妻がいない。ジョージは叫んだ、「私の夕食はどこだ!!」

他人を干渉や束縛によって変えることは難しく、ありのままの素直な自分の気持ちを受け入れて(あれが良かったとかこれが悪かったとか自分自身のことを評価しないで)自分の人生に集中すること(自分自身を大切にすること)によって現実の世界は変化していきます。

デイビッドの心の変化

プロムに誘う勇気がない彼は、妄想の中で彼女にアタックするも振られてしまいます。

現実の世界の母親が元夫ともめていたり、恋人との旅行に消極的で悩んでいたり、色々あって… 。現実逃避するかのように「プレザントヴィル」を観て架空の素敵な街に憧れていました。

プレザントヴィルに来た初めの頃は、「プレザントヴィル」のドラマの脚本に忠実に一生懸命でした。

理由は、街の人々が混乱しないようにもありますが、一番の理由はプレザントヴィルの秩序を乱すと現実の世界へ帰れないかもしれないと思ったからです。

しかし、彼はジェニファーと一緒にプレザントヴィルに来て、色々な人々が変化することによって、自分自身も周りの人々も街も社会も自分の心の状態によって変化することを経験しました。

ジェニファーがスキップに恋をしたことによってジェニファーも街の人々も変化していき、ジェニファーが読書に夢中になった姿を見て、デイビッドも変わる決断をします。

そして、人々は全てのことに意味があって繋がっていて社会が成り立っていることを知ります。それは自分自身の思考や行動が社会に影響することを理解したことを意味します。

もし、目の前に恐れがあったとしても誰のせいでも社会のせいでもなく、より良い人生を充実させていくには、自分の人生に責任を持って取り組むことの大切さに彼は気が付いたからです。それは彼が精神的に大人になった瞬間であり、彼は自律して自分の人生の舵取りをしっかりとして、ノアの方舟(旧約聖書の創世記)に乗って虹が掛かる幸せな世界に心の状態をより明るくポジティブな方向に持って行く決断をします。

監督によりますと、恐れがあったとしても、勇気を出して現実と向き合いながら社会に参加することは、人生をより良く充実させるためには、とても大切であり意味があること。

人生にはとても複雑な面があり、例えば、デイビッドがベティをホワイティの嫌がらせから守るために殴ったことによって、デイビッドは白黒からカラーへと変化するが、殴ることは悪いことという意味もあるけれど、この場合殴ったことはデイビッドが精神的に成長したことを意味しており、何が良くて何が悪いとか、そう簡単に善悪を決めれないことが、コインの裏と表のような表裏一体であること。

二元論的な概念に、東洋的な思想だと陰陽思想に近いような感じがします。

凄く背中を押してくれるような前向きになれる言葉を伝える、とっても気持ちの優しい素敵な映画監督です。

ベティを暴漢から守るため、次の瞬間にデイビッドは殴る(このあと、デイビッドはカラーへ変化する)

ベティを暴漢から守るため、次の瞬間にデイビッドは殴る(このあと、デイビッドはカラーへ変化する)

妹からリア充だと認められた瞬間✨

妹からリア充だと認められた瞬間✨

デイビッドがマーガレットにキスをしてジェニファーに「cool!」と絶賛されるシーンは、彼が「プレザントヴィル」のクイズに夢中な引きこもりがちなオタクから、オタクなリア充に変貌したことを意味します。オタクの知識もあってリア充だなんて凄く魅力的です。

プレザントヴィルから現実の世界に帰って来た彼は、驚くほどポジティブに変貌していてとてもかっこいいです。

リア充の余裕で母親の涙を拭くデイビッド

リア充の余裕で母親の涙を拭くデイビッド

色んな経験をして急成長したデイビッド。監督が言うには、2週間位プレザントヴィルで過ごしたが、現実の世界では30分しか時間が経っていなかったというオチ

色んな経験をして急成長したデイビッド。監督が言うには、2週間位プレザントヴィルで過ごしたが、現実の世界では30分しか時間が経っていなかったというオチ

予告編

カラーオブハートの予告編動画です。

予告編だけでも凄く楽しめる内容になっています。

カラーオブハート予告編動画

作品情報

 制作:1998年

 本編:124分

 制作国:アメリカ

 監督・脚本・制作:ゲイリー・ロス

 出演者:デイビッド(トビー・マグワイア)

     ジェニファー(リース・ウィザースプーン)

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