カラー・オブ・ハート(PLEASANTVILLE)
作品のあらすじ
この映画は1998年に制作された大変珍しい映画です。
最初はカラーの映像ですが、白黒のテレビドラマ「プレザントヴィル」の世界に入ると白黒の映像になり、そこから映画のストーリーと共にカラーの映像になっていくファンタジー映画です。
双子の兄妹、デイビッド(トビー・マグワイア)とジェニファー(リース・ウィザースプーン)が主役です。
兄のデイビッドはオタク気質で「プレザントヴィル」に夢中です。賞金1000ドルがもらえるカルトクイズのプレザントヴィルマラソンに向けて知識を深めています。夕方6時半から「プレザントヴィル」が始まり、クイズは翌日昼から始まります。デイビッドにとって、この日の「プレザントヴィル」は見逃すわけにはいきません。
妹のジェニファーは恋とおしゃれが大好きなリア充を目指す女の子です。恋敵のデビーが転校していき、気になっていた顔のニキビも消えた絶好調の彼女。
MTVを見る名目でマークを家へ誘い出すことに成功した彼女にとって、夕方6時半からのMTVを見逃すわけにはいきません。
兄妹で見たいテレビ番組が分かれた2人はリモコンの取り合いになり、その拍子にリモコンを壊してしまいました。
その時、物凄いシンクロニシティで現れた修理工のお爺ちゃん(ドン・ノッツ)が家にやって来て、2人に不思議なリモコンを手渡しました。
そのお爺ちゃんが帰った後、そのリモコンでテレビを付けた2人は「プレザントヴィル」の世界に入り込んでしまいます。
「プレザントヴィル」の世界は1950年代で全て(人や物など)が白黒の2色で構成される変わった世界です。
その世界に住む人々は、皆純粋で良き市民の模範のような人たちです。
その世界は犯罪等起きない平和な世界なのですが、図書館の本の中身が真っ白だったり、紙が燃えなかったり、トイレにはドアだけで便器がなかったり、いつも晴天で過ごしやすいお天気(天気予報では最高気温22度最低気温22度の不思議な世界)で、雨も降ったことがないけれど植物は不思議といきいきとしている世界です。
ドラマの中の架空の街で脚本に忠実に動いているからでしょうか?プレザントヴィルの人々の本当の気持ちや感情が見えてこないような感じがします。学校の授業でも町の中にある建物や道路の名称しか先生が説明しなくて、ジェニファーが「街(プレザントヴィル)の外はどうなっているの?」と先生に質問したらちょっと混乱したり、秩序は保たれていても人々に本当の意味での自由がないような世界です。
リア充で恋やおしゃれに夢中なジェニファーにとって、その世界はあまりにも退屈な世界でした。
そんなある日、ジェニファーがはめを外し、同じ高校に通うバスケットボール部のキャプテンのスキップ(ポール・ウォーカー)とセックスをします。セックスを知らないスキップにとって、とても刺激的な体験だったのでしょう。
それを皮切りにスキップの周りで変化が訪れます。それまで白黒しかなかった世界に色が付き始めるのです。
ジェニファーやスキップに感化された周囲の人々がどんどん自分の気持ちに正直になり、恋愛やおしゃれに目覚めたり、自分の感情を素直に表現するようになります。
それに伴い、これまで築き上げられたプレザントヴィルの秩序がだんだんと崩れていきます。
これにより、白黒だった世界は虹のかかったカラーの世界へと変化を遂げていく物語です。
この映画の見どころ
この映画はハリウッド映画にしては珍しく、恋人たちが集う水辺の庭園に桜の木がたくさん出て来ます。
なんとも日本的で、日本人なら思わず嬉しくなります。
恋人の水辺(恋人池)の風景は、蓮の花も綺麗に咲いていてクロード・モネの「睡蓮」の絵のような素敵な風景です。
この映画の監督のゲイリー・ロス氏(以下、「監督」)によりますと、至福者の島に出てくるような雰囲気に、18世紀のイギリスの絵画に出てくるような風景を再現して、グリーク・リバイバル様式(ギリシャの神殿のような)のギリシャ風のバルコニーに、ロマン主義溢れるエデンの園のような庭園らしいです。
西洋の理想的な楽園のような感じです。
不思議なことに恋人の水辺(恋人池)は桜の木や蓮の花の効果でしょうか、そういった意味では日本的な感じがします。
古今東西愛される素晴らしい庭園です。
プレザントヴィルの町並みは1930年代の古き良きアメリカのような感じがして、ギリシャ神話の美しい宮殿のような芸術性があって魅力的です。
ディズニーランドのワールドバザールのような世界観でしょうか、レトロな可愛さに気品があります。
プレザントヴィルの住宅街の家はケープコッド様式のような感じも融合していて、伝統的なアメリカの住宅の特徴です。
ビル(通称ソーダショップ・アメリカンダイナーの店長)とデイビッドによって警察署の壁に描かれた作品(カラーに変化した街の人々と街の暴動をテーマ)は、パブロ・ピカソの「ゲルニカ」の様に作品にメッセージがある様な感じがします。
監督によりますと、壁画は政治的な主張をする伝統があり、この映画の壁画はかなり扇動的な作品で、ロサンゼルスで有名な壁画家のフランク・ロメロ氏と彼のチームによる作品らしいです。
監督はこの壁画の蛇とリンゴの部分が、この映画のメインのテーマ(旧約聖書の創世記アダムとイヴの物語とエデンの園)のようで一番のお気に入りらしいです。
もちろんアメリカの青春映画の王道のシーンもちゃんとあって、アメリカンダイナーで1950年代のファッションの若い男女が、楽しそうにおしゃべりをして恋に落ちるような恋愛のワクワク感も物語とともに楽しめます。
ジェニファーがスキップとダイナーでデートをしているとき、チェリーを食べているジェニファーは挑発的で可愛らしい感じがします(1950年代の価値観では刺激的すぎなのが、ちょっとエッチです♪)。
1950年代のアメリカの文化は、宮廷文学のような華やかさがあります。
ハリウッド映画を観ても、大掛かりな物凄いセットにゴージャスな衣装、芸術性を極めたオーケストラ、
俳優さんや女優さんは歌って踊れる美男美女のエンターティナー、当時のアメリカの好景気も反映されて(第二次世界大戦で戦勝国となったアメリカは帰国した兵士たちの住宅ラッシュとベビーブームも重なって、また、朝鮮戦争による大戦景気の影響もあって好景気でした。)、とっても華やかでした。
ハリウッド映画は1930年代~1940年代に白黒(モノクローム)から色鮮やかなカラーの映像に変わっていきました。
ジュディ・ガーランド主演の「オズの魔法使い」(1939年)も白黒(モノクローム)とカラーの色彩が両方楽しめる映画です。
ジョン・F・ケネディ大統領は、政策で宇宙開発など、人々を魅了するスピーチを展開して、
人々は宇宙と結びつくような夢のような新しい時代に気持ちを抱いていました。
ロケット、ufo、輝くような月、満点の星空、に1950年代のロックンロールの影響も融合されて、
華やかな男性らしさと女性らしさが強く求められた時代でした。
1950年代後半から1960年代前半には映画のオープニングの技術もよりシンプルでリズム感があっておしゃれな演出になっていきます。
ジョン・F・ケネディ大統領の宇宙開発の世界観の影響も強く受けて、1960年代前半のファッションは、
色々な色がとっても綺麗で、シンプルで洗練されていて未来的な世界観でアメリカンドリームは黄金期を迎えます。
デイビッドの家の前でマーガレット(マーリー・シェルトン)がチェックの傘を広げて回すシーンは、レトロ可愛い感じがして印象的です。
この映画は風の音や雷の音などによって、物語の状況や変化が分かったりして和歌の枕詞のようで面白いです。監督の裏技によって恋に落ちたら時間がゆっくり進むさまは素敵です。
1950年代といえば、アメリカのBIG3(ゼネラルモーターズ、フォードモーター、クライスラー)のレトロな車がかっこいい黄金時代です。
何だかこの時代の車は縦に長くて横幅もあって、ちょっと強い感じがして男性的なデザインの車が多いような感じがします。
スキップの髪はジェルでビシッと固めて、レトロなオープンカーに乗りジェニファーを誘う場面は、
この時代特有のかっこよさがあり、そのままレトロなポスターになりそうな感じがします。
レトロな消防車も登場するのですが、この映画に出てくる消防車はわりと丸い曲線が多い消防車です。
消防士が木の高い場所から降りられなくなった猫を助けるシーンは、アメリカの幼児番組によくみられるとっても可愛らしい光景です。
デイビッドの家の庭の木が火事になった時、デイビッドが消防署で「火事だ!」と言っても消防士は反応せず「猫!」と言ったら消防車が出動するシーンは、
「プレザントヴィル」らしいエピソードなのですが、このシーンはとっても重要で、マインドコントロールされている人に真実を伝えても、物事が伝わらないマインドコントロールの特徴を表現しています。
マインドコントロールされている人の気持ちの理解と共感がとっても大切な鍵になってきます。
いつも晴天で気温も過ごしやすいプレザントヴィルで、若者が恋愛に夢中になったり図書館に行って知識を得たことによって、初めて大雨がプレザントヴィルに降るシーンはとても印象的なシーンです。
満月の夜、デイビッドの彼女がリンゴを取るシーンがありますが、西洋社会でのリンゴは、アダムとイヴの物語(旧約聖書の創世記)で知恵の実の説があります。
月は満ち欠けをすることから、女性の妊娠を連想し、古今東西で女性の象徴だと言われています。
西洋社会では、月の女神様はアクエリアス(みずがめ座)と言われております。
月の女神さまが大量に雨を降らせたことにより、空気中のプリズムとなる水滴に太陽の光が輝くと虹は掛かります。
このシーンは、この物語の象徴のような感じがします。
白黒のモノクロームの世界にとっても対照的な七色の綺麗な虹🌈が掛かったことによって、光と闇の違いが凄くわかりやすくなっています。
何とも言えない超カオスな世界観から街の人々が段々と目覚めていき、人々の覚醒した光の力は、全てを温かく優しく包み込むように世界は夜明けを迎えて、光の世界に変わっていきます。
人々の心の変化について
ジェニファーの心の変化
監督によりますと、プレザントヴィルの変化は全てジェニファーから始まります。
そして、この映画の音楽はジェニファーの感情によって演奏されていきます。
初めは二人がプレザントヴィルに来て、デイビッドがオタクなせいで天罰が当たったといじけていました。彼女がスキップに恋をしたことによってプレザントヴィルの全てが変化します。
ジェニファーは自分の気持ちに素直な性格です。嫌なことはちゃんと嫌だと言えて、自分が嫌だと感じることにはしっかりと境界線を引くことによって、自分自身を大切にしています。
もし、ジェニファーがアダムとイヴの物語(旧約聖書の創世記)のイヴだったら、蛇から何を言われようとも自分の中で物事を決断して、知恵の実を食べたいと思ったら、知恵の実を迷わず食べると思います。しかしながら、彼女は自尊心が高いので、知恵の実を食べても失楽園には行かなくて、ノアの方舟(旧約聖書の創世記)に乗って新しい虹の掛かった幸せな世界に辿り着くタイプなのかもしれません。
彼女の気持ちはいつも純粋で、恋愛のように心から楽しめることが大好きで、いつも夢中になって自分が好きなことをしています。
最初の方では遊んでそうな感じだったけれど、本当はとっても謙虚で勤勉な感じがします。
プレザントヴィルの若者にとって凄く刺激的でチャーミングな女の子に映るのではないでしょうか。
不思議なことにジェニファーの気持ちの変化によって、風もプレザントヴィルの出来事も街の人々もデイビッドもこの映画の音楽も変化していきます。
彼女がいつも言っている「cool!」の掛け声は、気持ちの良い風が吹いているような心地よい優しい感じがして余裕があって素敵です。
彼女は読書を通じて勉強に興味を持ち、ついには大学へ進学します。
ビル(ダイナーの店長)の心の変化
デイビッドの遅刻によって、ビル(ダイナーの店長)が台を剥げるまで拭き続けることに疑問を持ったことをきっかけに、ビルが日常の様々なことについて疑問を持ち始めます。
テレビドラマの脚本通りに、決められたシナリオ通りの動きを忠実に再現していたビルは、(例えば、「ビルが店のレジを締め、デイビッドがブラインドをおろし、ビルが電気を消し、2人で施錠をする。」のように)脚本通りの決められた動きだけをしていました。
ある日、デイビッドが脚本通りの動きをせずに、アルバイトの途中でジェニファーを追いかけて、仕事をさぼりました。
その結果、プレザントヴィルに僅かな変化が生まれます。デイビッドの穴埋めをビルがしなくてはならないため、ビルが考えながら行動を起こすという僅かな変化が、最終的にこの映画を大きく動かすことになります。
カラーに変化した若者たちが増えたことにより、ビルは綺麗に色付いた絵の本に興味を持ち始めて、最後には芸術家へ変貌していく様はとてもかっこ良いです。
ベティ(プレザントヴィルの母)の心の変化
最初の方の「プレザントヴィル」のセリフで彼女が「母親だもの」と自信たっぷりに演じるシーンは、本当の自信ではなく、完全にマインドコントロールされていて、本当の彼女の気持ちが見えてこないです。
推測ですが、こんなに物が多い時代に家事をするだけでも凄く大変そうな感じなのに、おしゃれもきちんとしていて、本来の彼女は、家族に対して愛情と思いやりに溢れるとっても優しいお母さんなのかもしれません。
ジョージも彼女もとっても子煩悩で、些細なことでも子供とちゃんと向き合っていて、子供にとっては最高の家庭環境なはずなのですが、ジェニファーと家事をしている時に恋愛とセックスに興味を持って、バスルームで彼女の情熱によって庭の木が火事になります。
倫理的に理解不能ですが、それから彼女とビルとの恋愛によって彼女はカラーに変化していきます。
しかしながら、最終的には家庭を大切にすることを選んだのでしょうか⁉
アセンション(次元上昇)後のシーンでは、カラーになった世界でジョージと仲良くおしゃれにベンチに座っていました。
プレザントヴィルの街がアセンション(次元上昇)するに向けて、街や人々の波動(周波数)が上昇していきます。
白黒だった世界にたくさんの光が降り注ぐことによって、今まで闇に隠されていた問題も光によってだんだんと浮かび上がってきて、人々は内向きに本当の自分と向き合っていきます。
人々のつながりや社会が一旦分断されていきますが、人々や社会が以前よりも力強くつながり、より個人が尊重される自由な心地よい世界に移行するにはとても大切な変化なのかもしれません。
若者の心の変化
監督によりますと、この映画は子供が大人を導いていく物語です。
そして、それはジェニファーがスキップとセックスをしたことによって始まります。
しかし、プレザントヴィルの若者は恋愛やセックスではなく、主に図書館で知識を得ることによって、白黒からカラーへと変化していくらしいです。
知識を得た若者は、本来の自分たちの魅力に気付き、無意識の中に眠っていた叡智が呼び覚まされて、りんごを食べて覚醒したアダムとイヴのようです。
恋人の水辺(恋人池)でデートをする若い男女はとっても楽しそうで癒されます。
プレザントヴィルに初めて雨が降ったこと、街の人々の変化によって、プレザントヴィルの若者は自律してより良い人生を彩っていきます。
魔法が掛かったかのように、それまで白紙だった図書館の本に少しずつ文字や挿絵が現れてきます。
マーガレットは、ドラマの脚本ではホワイティに渡すはずだった予定のミートローフのクッキーを、自分の意思でデイビッドに渡します。
街の人々の心の変化
プレザントヴィルの秩序やモラルが崩れて、ビルが描いたベティの裸のカラーの絵をめぐって暴動が起きます。
その後、ビルとデイビッドによって警察署の壁に描かれた壁画を鑑賞した街の人々は、最初は変化することの恐れの気持ちによって酷い言葉を言っていました。
既存の社会の価値観がだんだんと揺らいでいくとき、複雑な物事がたくさん絡み合う日々において人生を選択していく時に、人それぞれの周波数や不思議な天の計らいによって二極化していきます。
しかし、一部の街の人々が変化したことによって、街の人々は今まで自分たちの中で信じられていた社会の制度や人々の習慣や常識などのそれぞれに疑問を持ち、個人個人に色々な感情を持ち始めます。
もっと楽しくてワクワクするような楽しい価値観や世界観があって、そっちの世界の方が居心地が良いような予感がすると街の人々が気付き始めます。
そして、人々は興味本位の噂話よりも自分自身が楽しくてワクワクするようなことに視点を合わせて、本当にやりたいことに思考や行動を移していきます。
人々は自分自身が好きなことに夢中になって生活していくと、もう以前の本当の意味での自由がない生活には戻れなくなっていきます。
人々の集合意識がポジティブな世界に変化していくと、プレザントヴィルの白黒の世界の世界線も変化して、プレザントヴィルは虹が掛かるカラーの街へと変貌していきます。
最初の方の学校の授業では、様々な社会問題が紹介されていてちょっと不安な気持ちになりますが、アセンション(次元上昇)後のプレザントヴィルの街の人々は明日のことは分からないと言います。
明日のことを心配するよりも、今を一瞬一瞬最大限に楽しみながら大切にすることによって、毎日が充実して過ごせるとっても素敵な世界です。
街の人々の変化に反対する人々の心の変化
彼らはとても保守的で、これまでのプレザントヴィルの発展を責任を持って自分たちで守り抜いてきた自負があります。
ボーリング場(スコア表が手書きなのがレトロな感じがして良いです。)で街の人々の変化に反対するおじさんたちは、カラーに変化した人々の価値観がどうしても受け入れることが難しく、条例によって厳しく色々なことを制限することによって以前のように白黒の世界の秩序の保たれたプレザントヴィルを目指そうとしますが、街の人々はどんどんカラーに変化していきます。
カラーに変化したから良いとか白黒の世界のプレザントヴィルに戻りたいから悪いとかではなく、人には人生を選択する自由がありますので、カラーに変化しようが白黒の世界に戻りたくても、
どちらの選択でも、その人にとっては貴重な魂の経験となります。
彼らが法廷で変化に反対すれば反対するほど、街の人々は柔軟性を持って新しい街の変化を受け入れていきます。
対照的な2つの価値観が反発しあうことによって、人々の意識もより明るい方向に変わっていきます。
彼らは法廷で変化していく街の人々に見られていることによって、変化していく街の人々は彼らに直接干渉したりはしないので、彼らもだんだんとやりづらくなっていきます。
しかしながら、彼らの想いはとっても強く、法廷での彼らは戦う戦士のような強さと情熱があります。
法廷でジョージ(プレザントヴィルのデイビッドの父親)をはじめ変化に反対するおじさんたちが、心の中の本当の素直な気持ちを受け入れたことによって変化していきます。
彼らは本来、街の人々や彼らの家庭のことをとっても大切に思っていて、家庭は社会を築くとっても大切な基盤ですので、彼らのような温かいお父さんたちによって、プレザントヴィルの街はとっても力強く復活して生まれ変わっていきます。
それは、森の中で猛獣同士が争っている時に、森の中は大火事になろうとしていて、火が付いて燃え始めていることに争っている猛獣同士は気が付いていなくて、森の中にいた危機感を感じた鳥たちは、絶体絶命の状態から緊急脱出をする決意をします。
これからどうなるのか分からない状況でも、周囲に流されず、純粋な心で自分をしっかりと持って大空に羽ばたいていくと、鳳凰に生まれ変わり、満天の星空のように虹色に輝いて、宇宙とつながり、天女のように美しい女性的な輝きに温かく包まれるビジョンなのかもしれません。
他人を干渉や束縛によって変えることは難しく、ありのままの素直な自分の気持ちを受け入れて(あれが良かったとかこれが悪かったとか自分自身のことを評価しないで)自分の人生に集中すること(自分自身を大切にすること)によって現実の世界は変化していきます。
デイビッドの心の変化
プロムに誘う勇気がない彼は、妄想の中で彼女にアタックするも振られてしまいます。
現実の世界の母親が元夫ともめていたり、恋人との旅行に消極的で悩んでいたり、色々あって… 。現実逃避するかのように「プレザントヴィル」を観て架空の素敵な街に憧れていました。
プレザントヴィルに来た初めの頃は、「プレザントヴィル」のドラマの脚本に忠実に一生懸命でした。
理由は、街の人々が混乱しないようにもありますが、一番の理由はプレザントヴィルの秩序を乱すと現実の世界へ帰れないかもしれないと思ったからです。
しかし、彼はジェニファーと一緒にプレザントヴィルに来て、色々な人々が変化することによって、自分自身も周りの人々も街も社会も自分の心の状態によって変化することを経験しました。
ジェニファーがスキップに恋をしたことによってジェニファーも街の人々も変化していき、ジェニファーが読書に夢中になった姿を見て、デイビッドも変わる決断をします。
そして、人々は全てのことに意味があって繋がっていて社会が成り立っていることを知ります。それは自分自身の思考や行動が社会に影響することを理解したことを意味します。
もし、目の前に恐れがあったとしても誰のせいでも社会のせいでもなく、より良い人生を充実させていくには、自分の人生に責任を持って取り組むことの大切さに彼は気が付いたからです。それは彼が精神的に大人になった瞬間であり、彼は自律して自分の人生の舵取りをしっかりとして、ノアの方舟(旧約聖書の創世記)に乗って虹が掛かる幸せな世界に心の状態をより明るくポジティブな方向に持って行く決断をします。
監督によりますと、恐れがあったとしても、勇気を出して現実と向き合いながら社会に参加することは、人生をより良く充実させるためには、とても大切であり意味があること。
人生にはとても複雑な面があり、例えば、デイビッドがベティをホワイティの嫌がらせから守るために殴ったことによって、デイビッドは白黒からカラーへと変化するが、殴ることは悪いことという意味もあるけれど、この場合殴ったことはデイビッドが精神的に成長したことを意味しており、何が良くて何が悪いとか、そう簡単に善悪を決めれないことが、コインの裏と表のような表裏一体であること。
凄く背中を押してくれるような前向きになれる言葉を伝える、とっても気持ちの優しい素敵な映画監督です。
二元論的な概念に、東洋的な思想だと陰陽思想から、仏教だと悟りを開いて、本来の神聖な自分に覚醒してアセンション(次元上昇)するような感じがします。
デイビッドがマーガレットにキスをしてジェニファーに「cool!」と絶賛されるシーンは、彼が「プレザントヴィル」のクイズに夢中な引きこもりがちなオタクから、オタクなリア充に変貌したことを意味します。オタクの知識もあってリア充だなんて凄く魅力的です。
プレザントヴィルから現実の世界に帰って来た彼は、驚くほどポジティブに変貌していてとてもかっこいいです。
予告編
カラーオブハートの予告編動画です。
予告編だけでも凄く楽しめる内容になっています。
作品情報
制作:1998年
本編:124分
制作国:アメリカ
監督・脚本・制作:ゲイリー・ロス
出演者:デイビッド(トビー・マグワイア)
ジェニファー(リース・ウィザースプーン)